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「だがボストロール的には・・・。いい夢見させてもらったぜ!」 幸せそうな顔でボストロールは崩れ落ちた。 「変な奴だったな。オレたちのことは回復しといて、何で自分は一度も回復しなかったんだろうな。単にバカなだけか」 尤もなツッコミを入れながら、ククールは剣を鞘に収めた。 「あんたって、サイテー」 思わず悪態が口から飛び出す。 「なーにが『魔物にも食事を楽しむ権利がある』よ。そんなこと白々しいこと言って逃げようとしたくせに、回復してもらった途端、何事も無かったように退治するなんて信じられない。『恩を仇で返した』って怒られて当たり前よ」 「何言ってんだよ。勝てそうにない勝負を避けて通るのは当然だろ。そして勝てる勝負はキッチリ勝つのが当たり前。人間をエサにしてる奴なんて、見逃せるわけねえだろ」 「MPが無かったんなら言ってくれれば良かったのに、あんな乱暴なことするなんてひどいじゃない。窒息するかと思ったわよ」 「そのことは悪かったよ。だけど敵の真ん前で『MPが無い』なんて言うバカいるかよ。そんなに茹で魔法使いになりたかったのか?」 ククールはボストロールの落とした鍵で牢を開けて、大臣一家を出してやってる。 一緒にリレミトしてあげようと思ってたのに、大臣たちは自分たちだけでサッサと走っていってしまった。 あれ? そういえば私、大臣に話があって来たのよね。 「ゼシカ、いいのか? 大臣たち行っちまったぞ。言いたいことがあったんだろ?」 「・・・忘れてたー!!」 「忘れんなよ!」 この場合のククールのツッコミも、尤もだと思う。 「私、ラグサットとは結婚するつもりなんてありませんから! もうフィアンセでも何でもないってことで、いいですね!?」 無事屋敷に戻っていた大臣は、魔物に食べられそうになったショックから抜け切れてないのか、あんまりピンときてないみたい。 「ゼシカ・・・。おお! そなた、アルバート家のゼシカさんだったのか」 「おい! 息子のフィアンセの顔も知らなかったのかよ!?」 今日のククールは、ツッコミに忙しいわね。 「それは残念だが、そなたがそう言うのなら仕方ない。ラグサットもどこでどうしているかもわからんしの。それではこの婚約は無かったということで」 これで話は終わり。どうせこの婚約なんて、その程度のものだったのよ。 外に出ると、もう空が白んでいた。こうやって普通に朝は来るのに、私たちの目の届かないところで世界は着々と滅びの道を歩んでるのかもしれない。 それを止める手立てはラプソーンを倒すことだけ。だからこそ、絶対負けられない戦いに向かうためには、気持ちの整理を着けなきゃいけないこともあると思う。 「どう? これで文句ないでしょう?」 「ああ、はいはい。文句なんてとんでもない。そんなもん、初めからありませんよ」 ・・・そんなもん? 初めからない? 「・・・なかったの? 文句」 「そう、文句なんてなかった。っていうか、どうでも良かった。話逸らそうとして、言い掛かりつけただけだ。オレが悪かったから、もう勘弁してくれ」 何だろう、この何とも言えない苛立ちは。 「本当に、どうでも良かったの?」 「何でそんなに絡むんだよ。文句あった方が良かったのか?」 「そうじゃないけど・・・何かモヤモヤするのよ」 だって、ククールにラグサットの名前出された時、すごく腹立ったんだもの。『あんたに関係ないでしょう!』って怒鳴ってやりたくなった。 だけど『どうでも良かった』って言われる方が何倍も腹立つのはどうしてなのかしら。 「ごめんなさい、ククール。もうマルチェロのことは言わないわ、私が間違ってた。ククールは私とは違うんだものね」 ベルガラックまで戻り、ホテルへ戻る道の途中で、ククールに謝っておいた。 私がククールの立場だったら、マルチェロのことを心に残したままで、戦いに集中することなんてきっと出来ない。それが原因でククールに大ケガしたりしてほしくなかった。だからマルチェロを捜そうとしつこく勧めたけど、本当によけいなお世話だったみたい。 鏡の中の迷宮でも、私はすっかり頭に血が昇ってたのに、ククールは全然冷静さを失ってなかったもの。 私が心配なんかしなくても、ククールはちゃんと気持ちの切り替えが出来る、しっかりした人なんだ。 なんて思ったのよ。なのに・・・。 「そういうこと。オレはゼシカと違って、あんなマルチェロなんかの心配してやれるほど優しくねぇんだよ。だけどあいつだってガキじゃねえんだから、自分の面倒くらい自分で見るさ。もうあんまり気にすんなよ」 ・・・何なの、ほんとに。 「・・・バカ!!!」 もう他に何も言う言葉が浮かばない。 何で私が、あのマルチェロの心配なんかしなくちゃいけないのよ! 心配されてるのは自分だってこと、頭の片隅にも浮かばないわけ? 「あんたってどうしてそう、人の気持ちがわからないの? ああもう! この苛立ちを何て表現したらいいのかわからないわ!」 「わかんねぇのはこっちだよ。何でいきなり怒ってんだよ。オレ今『優しい』って褒めただろ? それで怒られてたんじゃ割にあわねえよ」 普段は信じられないほど頭も勘も良くて、全部わかってるような顔して人の気持ち見透かすくせに、こういう根本的なことになると全然何もわかってない。 ククールはまだ私が怒る理由がわからないらしく、途方に暮れた顔してる。 そして私はそんな姿を見てると、不思議と怒る気持ちが薄れていってしまう。 「ごめんね」 もう一回謝っておく。わかってるわよ、私が一方的に勝手なこと言って迷惑かけたってことくらい。 ククールはちょっと肩をすくめて、しょうがないって感じになる。 「もういいから、早いとこ戻って休もうぜ。さすがにちょっとばかり疲れた。出来ればバーで一杯引っかけてから寝たいんだけど、付き合ってくれるか?」 「・・・一杯だけよ」 一応お詫びのつもりで了承すると、ククールはちょっと驚いたような、意外そうな顔をした。 「・・・ほんとに?」 「自分で誘っておいて何よ。私だってたまには飲みたい時もあるの。一つ言っておくけどね、ククールって自分で思ってる程には私のことわかってくれてないからね。それだけは覚えておいてよ」 「そういうこと言うってことは、ゼシカも自分で思ってるほどにはオレの事わかってないな。オレはゼシカのこと理解できてるなんて思ったこと一度もないぜ。何やらかすか予測もつかないおかげで、スリルに満ちた毎日を送らせてもらってる。これはこれで楽しいけどな」 どうしてククールってこうなの? 強がって平気なフリばっかりして、わがままに付き合わせた私が気に病まないように、わざと意地悪な言い方をする。 やっぱりダメだわ。せめて私ぐらいは心配していてあげないと、この人どうなっちゃうかわからない。 その辺り、全然わかってくれてないみたいだけど仕方ないわ。 どうしても気になっちゃって、自分でもどうにもならないんだものね。 <終> わかってない-前編
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【マイエラ修道院】ククールが仲間になる直前 ククール「ゼシカ。これからオレは 片時も離れず 君を守るよ。 君だけを守る騎士になる。」 ゼシカ「はいはい。どうもありがとうございますー。」 【フィールド】ククールが仲間に加わった直後 ククール「……まあ ね。 修道院の きゅうくつな暮らしには 飽き飽きしてたんだ。いい機会さ。 それに ゼシカとは もっと 深いつき合いになりたい。」 【アスカンタ城】キラから依頼を受けた直後 ゼシカ「あー イライラする!大の男が なによ!? 王妃様が亡くなったの もう2年も 前なんでしょ! それをウジウジと! そりゃ……私だって サーベルト兄さんが死んだ時は すごく 悲しかったけど……。」 ククール「ま 家族と 最愛の妻とじゃ いろいろ違うって事さ。 そのうち 恋をすればわかる。 ……どう? 教えてやろうか?」 ゼシカ「けっ・こ・う・で・す!!」 【願いの丘・頂上】キラの依頼を受けた後 ククール「……夜は 人を詩人にするが 誰もが 優れた詩人になれるとは 限らないものさ。 ……オレ? さあね。 女性のお望みとあらば 披露しないでも ないけど?」 【イシュマウリの世界】イシュマウリと話す前 ククール「ロケーションも バッチリ。 人気もない……うん…… ん? ああ ひとりごとさ。 何でもない 何でもない。」 【ラパンの館】バウムレン昇天後 ククール「あの ラパンって おっさん 礼をするとか 言ってたよな。 ひょっとしたら ゼシカ用の きわどい服でも くれるかもしれないぜ? 結構 スケベそうな顔してたしな。」 【パルミド・カジノ内部】初めてカジノに入った時 ククール「なんだ ここのカジノじゃ ポーカーは 遊べねえのか? オレの 華麗なカードさばきを ゼシカに 見せてやろうと思ったのに 拍子抜けだな。」 ゼシカ「そんなこと言って また イカサマしようってんじゃ ないでしょうね? やめてよ。こんな所で バレたら ただごとじゃ すまなくなるんだから!」 ククール「なんだい ハニー。 オレのことを 心配してくれてるのかい?」 ゼシカ「……私たちにも 迷惑が かかるって言ってるのよ! このうぬぼれ屋さん。」 【パルミド】情報屋の家に行った後、トロデ王と話すまでの間 ククール「オレとしては さっさと 王様をひろって こんな町からは おサラバしたいね。」 ゼシカ「そう? 私は もうちょっと ここを探索してみたいんだけど。」 ククール「こんな うす汚い町を 歩きたがるなんて ゼシカは 物好きだな。 ……なるほど。だから オレほどの美形が 口説いてるのに なびかないんだな。 納得したよ。」 ゼシカ「勝手に 言ってなさいよ! 主人公 こんな男 無視して 早く トロデ王のとこへ 行きましょ。」 【聖地ゴルド】マルチェロと遭遇前の夜 ゼシカ「いくら 聖なる女神像でも 夜中には あんまり見たくないわ。 だって…… なんだか怖い。」 ククール「そんなに 怖いなら 今夜は 添い寝してやろうか? 寝つくまで 子守歌を歌ってやるよ。」 ゼシカ「……バカ!」 【フィールド・サザンビーク大陸&闇の遺跡の島&海】ベルガラックでバーテンとカジノ店員の話を聞いた後 ククール「ドルマゲスが 向かった先には ワナがしかけられてるかもしれない……。」 ヤンガス「待ち伏せしている 魔物が 歓迎パーティーでもしてくれるとか? へへっ 受けて立つでがすよ。」 ゼシカ「そうね。クラッカーとか鳴らして お祝いされたり 花束なんか わたされたりしてね。」 ククール「ちゃかすなよ。 頼むから まじめに考えてくれ……。」 【ベルガラック】闇の遺跡へ行った後 ゼシカ「もう死んでしまったけれど カジノのオーナーのギャリングってどんなルック スだったのかしら?」 ククール「オレのイメージしたギャリングは全身毛むくじゃらで 最低でも1週間は風呂に入らない。」 ゼシカ「おえっ!」 ククール「だが 川でおぼれているネコを助けてみせる優しさをかねそなえたナイスガイ でもある。」 【トラペッタ&リーザス村&ポルトリンク&パルミド&ドニの町&アスカンタ城&マイエラ修道院】魔法の鏡を入手後&隠者と会話後 ゼシカ「呪文を唱えることができる魔物が 重い病気にかかってて 今にも死にそうで……。 呪文を 唱えてほしかったら 病気を治す薬を とってこいとか 依頼されたりしたら どうする?」 ククール「お前……意外と心配性だな。」 【闇の遺跡・外観】闇の結界が破られた後 ククール「ドルマゲスを 倒せても この中のうちの 誰かが 永久に 帰らぬ人になってるかもしれないぜ。」 ゼシカ「縁起わるいこと 言わないでよ。 みんなで 生きて帰ってくるのよ。」 【トラペッタ&リーザス村&ポルトリンク&マイエラ修道院&ドニの町&パルミド&アスカンタ城&サザンビーク城&ベルガラック】闇の結界を破った後 ククール「よく考えたら ゼシカって 変わり者だよな。いいとこの お嬢なのに 兄貴のカタキ討ちだもんなぁ。」 【闇の遺跡・地下2F】ドルマゲスと戦う前 ヤンガス「なんだって ドルマゲスは ここに 閉じこもってるんでがしょう。 なんか理由でも あるんでげすかねえ?」 ククール「カミさんと待ち合わせしてるとか?」 ヤンガス「ヤツが 妻帯者だったとは!? な なんでがしょう この劣等感は……。」 ゼシカ「ふざけるのは よして! ヤツが遺跡にこもったのは 暗い場所が好きだからよ 絶対。」 ククール「ドルマゲスは もぐらかよ……。」 【闇の遺跡】ドルマゲスと闘う前 ヤンガス「みなぎる闘志に水を差して悪いんでがすが もしドルマゲスが土下座して謝ってきたらどうしやす?」 ククール「そっそれは問題だな。 オレだって騎士のはしくれだ。 無抵抗の敵に 手を上げるのは 騎士道に反するしな。」 ゼシカ「なにが騎士道よ。 バッカじゃないの。 もしドルマゲスが無抵抗なら ヤツを挑発して 攻撃させればいいのよ。 だったら問題ないでしょ。 フン!」 ククール「こえー。 ゼシカこえーよ。」 【闇の遺跡】ドルマゲスを倒した後 ククール「さてと オレは これで 修道院長のカタキを 討てたわけだし 晴れて 自由の身ってことかな。 じゃ、ここで解散しようか。 ゼシカも うれしいだろ。 どうだ? 兄のカタキを討った感想は? ん? なんだよ。 どうしたんだよ浮かない顔して。」
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「おい!ゼシカ大丈夫か?」 「駄目・・・気持ち・・・ワルイ」 この状態で部屋に戻るより、少し風に当たらせようと思い、屋上に出る。 ベルガラックの夜は本当に暑い。 肩さえ冷やさなければ風邪を引くこともないだろう。 ククールは壁を背にして座り、自分にもたれかかるようにゼシカを座らせ、脱いだ上着をその肩に掛けてやった。 「アンタは、弱虫よ」 うつらうつら、ゼシカが言った。 「・・・まだ言うかよ。酔っ払いめ。」 顔を覗き込むとゼシカはすでに眠りに落ちている。 自分が何年もかけて作り上げて来た守りの城壁。 それをゼシカは人の気持ちを汲み取るのが上手くて、さらに正直者だから簡単に崩す。 ―――愛し愛される人はいらないの、とゼシカは聞いた。 それは、自分は永遠に得られないもののような気がする。 本気で好きになんてなりたくなかった。 マイエラ修道院に入ったあの時から、ククールは他人に対する執着を捨てた。 互いを愛し通せなかった父母の、自分に対する愛情に疑いを持った。 自分の見てくれの良さに、絶えず寄ってくる他人たちにもシラけた。 そして何よりも異母兄からの拒絶は手痛かった。 一旦差し伸べた手を、引っ込められるのは、もうごめんだった。 神様は意地が悪くて、本当に欲しい物を目の前にぶら下げておいて、決して与えてはくれない。 それでも、どうしても自分は欲しがってしまう。 ゼシカが欲しくて、もう手の施しようのないところまで来ている。 「決めた。絶対にコイツ口説いてやる。絶対に振り向かせて―――ずっと守ってやる。」 「いたたた・・。アタマ痛い・・・。」 ゼシカは頭痛と共に目覚めた。 あたりを見回す。ベルガラックの宿の一室、自分にあてがわれたベッドの中だった。 部屋の中には自分の他に誰もいないようだ。日はずいぶん高くなっている。 酒場に行って、ククールに絡んだ所までは覚えていた。 ―――そのあと・・・そのあとは!?ククールは? ベッドで寝てはいたが、自力で歩いた記憶は無い。 ―――ククールが部屋まで運んで・・・くれたんだよね?きっと。 なんとか記憶を絞り出そうと四苦八苦していると、部屋の扉が開き、当のククールが現れた。 ククールは、水の入ったグラスを差し出しながら、おはよう、とだけ言った。 「おはよう・・・みんなは?」 ゼシカは気まずそうに下を向いた。 「誰かさんが二日酔いで起きられないから、今日はカジノで遊ぶってさ。」 ククールが楽しそうに答えてくれたので、ほっとしつつ、もう一つ質問をする。 「あのー、ククールさん?私、昨日何かやらかして・・・ないよね?」 ククールは少しの間黙ってゼシカの事を眺めた。そして不意にニヤッと悪魔的な笑みを浮かべた。 「あー、やらかしてくれた。ほんとに参った。」 ツカツカとゼシカのベッドに歩み寄り、二の腕を掴むと体ごとベッドに押し倒した。 そして抵抗する間も与えずに、強引なキスをした。 ククールは体を離すと、あまりの展開に呆然と自分を見つめるゼシカに言い放った。 「覚悟しとけ。ドルマゲスを倒したら、お前、絶対にオレの女にしてやるからな。」 ククールはゼシカの鼻先を指で叩くと、そのまま扉を開けて出て行ってしまった。 ―――なんで!?どうしよう!どうしよう!何かして怒らせた?でも楽しそうだった? ドキドキと跳ね上がる自分の心臓の音を聞きながら、ゼシカは何時間もククールが出て行った扉を見つめ続けた。 無題10-前編-
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トンネルを抜けるとそこは雪国であったが、情緒もへったくれもあったものではなかった。 吹雪が針の束のようになって容赦なく一行に襲いかかってくる。 ふとククールが振り返ると、すぐ後ろを歩いていたはずのゼシカがはるか彼方で立ち尽くしてしまっていた。 初めて見る雪景色に感動しているなどという風情とは違う。明らかに様子がおかしい。 「ゼシカ?ゼシカ!大丈夫か!?」 駆け寄って叫ぶククールの声にハッとして、ゼシカは頭をぶんぶんと振る。 「ううっ。あまりの寒さに意識が朦朧としてたみたい」 そう答えるとゼシカは両肩に手を当てて震えた。 「リブルアーチに防寒具が売ってれば良かったのに…。何よ、まほうのビキニなんて訳の分からないものを…」 ゼシカがぶつぶつと愚痴を言いながらも歩き出したので、ククールはホッと胸を撫で下ろした。 しかし吹雪は変わらずその勢いを保ち続け、一向におさまる気配はなかった。 こんな状態ではまたいつ何時ゼシカの意識が怪しくなってもおかしくはない。 そう危惧したククールは、今度はゼシカの背を見る位置で歩く事にした。 ゼシカのすくめられた剥き出しの肩が小刻みに震えている。 自前の断熱材に恵まれているあのヤンガスでさえ音を上げている状態だ。 この寒さではさぞかし辛いことだろう。 ククールはそう思い、制服のケープを外して震えるゼシカの肩にそっとあてがった。 「きゃ?!びっくりした!」 予期せぬ出来事だったようで、ゼシカは驚いて振り向く。 「こんなものでも、あれば少しはマシになるだろ?」 「うん、ありがとう。あったかい」 ゼシカは笑みを見せながらケープを受け取り、両手で襟元を合わせた。 「あはは、大きいからすっぽりくるまれちゃうわ」 そう言いながらゼシカはククールの前でくるりと身体を回らせてみせた………… (……ってな感じの筋書きだったんだけどなぁ…) ククールはベッドに腰掛け、ゆっくりと海より深いため息をついた。 苦々しい表情で毛布を握り締める。 「雪崩の…ばっかやろう!」 そのまま背後に倒れ、ボフッと音を立ててベッドに大の字に横たわった。 「…ククール?」 奥のベッドに寝かされていたゼシカが起き上がって部屋の様子を伺う。 「雪崩がばかやろうなのは賛成だけど、みんな助かったみたいだし、いいんじゃない?」 「よくねぇんだよ…」 「なんで?」 歩み寄ってきたゼシカはベッドの上に大の字になったままのククールを覗き込む。 「いや、こっちの話さ」 「なによそれ?わけわかんない」 やや呆れ顔になったゼシカの大きな瞳を見つめながらククールはにやりと笑い、起き上がった。 ~ 終 ~
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北海を望む美しきトロデーンへ続く階段道を上りながら、ゼシカはうんと伸びをした。 「気持ちいいわね!」 二歩遅れてゆっくり上っていたククールは、その仕草に笑む。 「はしゃぎすぎて足踏み外すなよ?」 ゼシカはむぅっとふくれた。 「なにそれ、失礼ね。久しぶりのトロデーンだっていうのに、そんなことしか言えないわけ?」 返されて、ククールはクックッと意地悪く笑った。 「もうっ」 「…いやごめん。俺、今ハニーしか見えてねーから」 冗談めかして巫山戯ると、ゼシカがジト目になり、少し頬を紅潮させて「………バカ」と呟く。 ぷいと向こうを向いてしまった。 しかたがないので、ククールは肩をすくめるとまっとうな話に流れを向ける。 「ほんと久しぶりだな。あいつも姫様と結婚してしばらく立つがどうしてんのかね? ったく、忙しいには違いないだろうが、友達がいのないやつだぜ。 こっちがわざわざ出向いてやらねーと、顔も会わせられない」 「それは、ククールが悪いんじゃない。いっつもふらふらしちゃってさ。 一体どこで何してるんだか。 おかげで、連絡取るのも一苦労だって彼困ってたわよ?」 「そりゃ悪かったな」 今度は彼がむくれる番だった。 ゼシカはそれで気分が良くなり、階段を上っていた足を止めて、くるりと振り向く。 「ねえ? この階段を初めて上った時のこと、覚えてる?」 「あ?」 唐突な話題に、ククールは間抜けな声を上げた。 「だから、古代船の手がかりを求めてこの城を目指したじゃない」 「…ああ」 彼はとたんに不機嫌なコトを思い出したのだろう。 たしかに、あの時トロデーン城は呪われていて、冗談ではすまされない凶悪なモンスターが徘徊していた。 しかも、あの頃の自分達はまだとても弱くて、そのうろつくモンスターの群れに不意打ちをくらい、あわや全滅しかけたのだ。 「ククールがいなきゃ、あたしここにいなかったかも」 そう、懐かしげにしみじみとした表情で思い出を語るゼシカとは対照的に、ククールはますます不機嫌な記憶を思い出していた。 本当に、死んでしまうかと思ったのだ。 目の前でどんどん体温が奪われていくゼシカと、覚えたてで使い慣れず、何度も失敗し続ける己のザオラル。 「それで?」 嫌な気分がダイレクトに伝わる低い彼の声に、ゼシカはすこし思い出す仕草をする。 「んー。お礼してなかったから、しとこうかな~って」 「お礼?」 ククールは眉を上げると、階段の先に立つ彼女を見上げた。 彼女は聞いてくる。 「覚えてる?」 「何を?」 「ほら、ククール言ったじゃない」 「何か言ったっけ?」 本気で覚えていないらしいククールの様子が、ゼシカはおかしくてくすくす笑った。 「なんだよ?」 覚えていないのも無理はない。 彼はその台詞を、深く意味を持たせずいつも口にするのだ。 -お礼なら、ハニーの熱い口づけを希望するね- ま、たまにはね。 ゼシカはくすくす笑いながら、上った階段をとんとんと下りる。 降りると、彼の顔が丁度、目の前に来た。 ククールの肩にそっと手を添えると、やっと、彼の青い目に理解の色が灯った。 「マジ?」 「思い出した?」 「…ああ」 まだ信じられないという当惑した顔を瞼に、ゼシカは瞳を閉じると。 ククールの腕が彼女の背中と腰を抱き寄せ。 ゼシカはククールに『熱い』口づけをした。
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444名前が無い@ただの名無しのようだsage2009/01/21(水) 17 06 16 ID 4D8+3+AU0 久々に8をプレイしている最中なんだけど 主人公とミーティアの挙式を見届けた後ひっそり二人きりになって いい雰囲気を醸し出しているククゼシが見られる 裏裏エンディングなんてものが実は存在したりしてないのかな。 445名前が無い@ただの名無しのようだsage2009/01/21(水) 21 02 30 ID 35tXvgPG0 444 実は存在している 私はそれを100回くらいクリアしたよ 446名前が無い@ただの名無しのようだsage2009/01/21(水) 22 47 49 ID AcGjXaDTO えっ!?なにそれ?条件とかあるのかな? 私はククールとゼシカが誰もいなくなった聖堂でこっそり 永遠の愛を誓いあうエンディングならみたけど… 他に違うエンディング見た人いる? 447名前が無い@ただの名無しのようだsage2009/01/21(水) 23 54 34 ID 9SvPsr4O0 ラプソーン討伐後ようやく結ばれたくせにククの幸福臆病癖のせいで喧嘩別れしてたが オレもエイトをけしかけてる場合じゃねぇないい加減素直になってぶつかってみるかって決意して (女2人連れてたククに)ブチギれて完全にもうククを見限る気でいたゼシカを 無理やり捕まえて抱きしめてキスして謝ってプロポーズまがいのことを口にして 胸に顔を埋めながら「バカ!!」と叫ぶゼシカの顔を上向かせて目にたまった涙にキスして 二度目の騎士の誓いを立てるところまでは見た。 448名前が無い@ただの名無しのようだsage2009/01/22(木) 00 33 27 ID qPbNhgAl0 自分も何度もそのEDを見たよ。 主姫結婚式でウエディングドレス姿のミーティアをうっとり見つめながら 「ミーティア姫きれい…。私もいつかあんなドレス着てみたいな…」と 隣で呟いたゼシカに「俺が着せてやるよ。そのうちな」とククが小声で言って、 「え?今なんか言った?」ときょとんと訊ねたゼシカに 「さあなー」と満面の笑みでククが答えるEDも見た。 449名前が無い@ただの名無しのようだsage2009/01/22(木) 09 35 32 ID Ybo7XR9LO なんというマルチエンディング…! 450名前が無い@ただの名無しのようだsage2009/01/22(木) 17 12 32 ID mAZRLQIN0 みんな色々なエンディング見てるんだ。いいな~ 私はまだゼシカとククが真っ白なドレスとタキシード着て 結婚式をあげ誓いのキスを交わしているエンディングしか見たことないからなぁ 451名前が無い@ただの名無しのようだsage2009/01/22(木) 18 27 46 ID sUW6cBOl0 自分はゼシカにぱふぱふされたククールが棺桶に入るエンディングしか見たことない 452名前が無い@ただの名無しのようだsage2009/01/22(木) 19 26 52 ID DvYGt7+K0 「ククール…私、やっと気づいたの。ククールのことが…好き」 「ちょ…マジで?」 「本当よ。だから…。私ククールに………ぱふぱふしてあげる…!」 「ちょwwマジで?www」 「だから、ちょっとこっちに顔を寄せて?今からするから」 「ちょw今?wマジでwwww」 「え~い、ぱふぱふッッ!」 「うはwwwwww気持ち良すぎwwwww」 ククール衝天→451END 453名前が無い@ただの名無しのようだsage2009/01/22(木) 22 15 07 ID LDjIGUp6 0何だその展開w エンディングで棺おけ入りとかある意味バッドエンドw メダパニ食らって混乱状態にあるククゼシEDとか 454名前が無い@ただの名無しのようだsage2009/01/22(木) 23 28 57 ID 6GB42Kt30 452 これ萌えはしないけど一番好きwククールあほすぎw 主ミーEDから数ヶ月後・・・ どこぞの婚約者とゼシカの結婚式にて、エイトにけしかけられたククが 映画「卒業」よろしく式場から花嫁を奪い去るED・・・ というのがいちばんありそうだな。ベタ展開的に。 プレイ中ククゼシ的要素を満たしてれば現れる真・真ED。やってくれよえにくすさんよ~ 455名前が無い@ただの名無しのようだsage2009/01/23(金) 01 31 31 ID TeNgqR7b0 452 吹いたww そのEDちょっと見てみたいw 454 普通ED(主人公姫連れ去り)の場合→数ヶ月後ククゼシ交際スタート 真ED(主姫結婚の場合)→数ヵ月後ククゼシも結婚 いづれ出るだろうリメイク版ではきっとこうなっている ? 456名前が無い@ただの名無しのようだsage2009/01/23(金) 20 28 48 ID ko9QcnSR0 454 ベタな展開いいねえ~ ククゼシって結構ベタなタイプのカプだと思うw 出会いからしてベタな感じだし 途中の夫婦漫才っぷりもベタベタだしw 457名前が無い@ただの名無しのようだsage2009/01/23(金) 22 07 27 ID ALpkyFqE0 454 だけどそのベタは主ミカップルと被っているなw お互いにお互いをけしかけあっている主人公とククってのも良いかもしれない 何れ色んな事が落ち着いたら久しぶりに二人で会ったククと主人公が 互いの妻に対する惚気合戦を繰り広げたりしてそう 458名前が無い@ただの名無しのようだsage2009/01/23(金) 23 19 17 ID jjOaDwPT0 もちろんわざと主ミーと被らせてるんでしょw けしかけるのも式場乱入も花嫁強奪も。 ただこいつらの場合は真EDの主ミーのように親が認めた強奪ではないから、 そのままルーラでとんずらして願いの丘あたりで2人きりで指輪交換と誓いのキスでもしてそうだけど そしてそのあとは、そりゃもう大変なんだろうねぇ・・・ そもそもゼシカが他の男と結婚しちゃうまで放置してたククが悪い。 頑張ってアローザさん説得しろよ。限りなく無理メだけど・・・ 459名前が無い@ただの名無しのようだsage2009/01/23(金) 23 35 33 ID qx9NtLFb0呪いが解けた後のパーティーではメイド口説いているし 主姫結婚式は女2人も連れてくるし ククゼシの中はその辺りでこじれまくってそうだなあ。 俺みたいな落ちぶれた元領主の息子が 良家のお嬢さんであるゼシカに相応しくないとか 勝手に自己完結してゼシカから身を引こうとしそう。 いざきちんとくっつこうとしたら絶対一筋縄ではいきそうにないな…。 461名前が無い@ただの名無しのようだsage2009/01/24(土) 14 42 39 ID BxL4EhTB0もしククが花嫁ゼシカ連れ去りとなったら主人公とミーティア(表エンド時)みたいに 「さあミーティアを連れて逃げて」「はい!」って感じにはなわないだろうなw 「ゼシカ、遅くなって悪ィ。俺と…」「今更何しにきたのよ…!バカ!」と まず当人同士で一悶着ありそうな気がするんですがw 462名前が無い@ただの名無しのようだsage2009/01/24(土) 20 46 40 ID 6yWD6kvE0 驚いているゼシカをそのまま抱き上げ お姫様抱っこで強制的に連れて逃げればいいよ そして二人きりになった所で447の下三行みたいな展開に持っていく 463名前が無い@ただの名無しのようだsage2009/01/24(土) 23 29 25 ID kN5TYadB0 遅くなってわりぃ で済むか!w 462 いいね。連れ去る前に婚約者(&聴衆)の目前でいきなりキスでもしとけばいい そんでルーラで消える。残された人たちボーゼン。主&ヤンだけニヤニヤ 464名前が無い@ただの名無しのようだsage2009/01/25(日) 00 53 07 ID u4371N4t0 まあそんな様子を見せ付けられてしまえば アローザさんも認めるしかなくなるだろう …多分w
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世界の中心、三大聖地の中でも巡礼の終着地と言われる聖地ゴルド。 エイトたちがこの聖なる町に辿り着いたのは、日が暮れてからだった。 調べたい事は沢山会ったが、旅の疲れもあり今夜は休む事になった。 さすがゴルドというべきか、参拝者が多い。世界中の信心深い巡礼者が、この聖地のシンボルである岩山に刻まれた巨大な女神像をひと目見ようと集まってくるのだ。 ゴルドの宿は既に満床で、床に敷物と毛布で寝ることになった。 夜も更け人々が寝静まった頃、ゼシカは目を覚ました。 浅い眠りの中で見た夢は、酷く恐ろしいものだった気がする。額が汗ばんでいる。気分が悪い。 ゼシカには解っていた。あの、女神像のせいだ。 荘厳な女神は恐ろしく大きく、岩肌の質感のせいか、眼下を見下ろすその目は厳しく、冷徹であるとさえ思える。 ゼシカは先刻のククールの申し出を断ったのを思い出した。 『そんなに怖いなら、今夜は添い寝してやろうか?寝つくまで子守歌を歌ってやるよ。』 衝立てで個別に間仕切られてはいるが、この部屋にはエイトたちばかりでなく他の一般客数人も床で寝かされていて、なかなかの大所帯になっている。 ゼシカは足を忍ばせククールのそばに近付いた。 「ン…?何だ?」 さすがに騎士だけあって、すぐにゼシカの気配を感じてククールは目を覚ました。 「ゼシカか?どした?」 「ゴメン。やっぱりどうしても女神像が怖くって…。」 ゼシカは気まずさで俯く。自分は何をやってるんだろう。顔が熱くなる。 「なんだ夜這いじゃねーのか…まぁいいか。添い寝だろ?」 ホラ、とスペースを開けてくれるククールの隣に、ゼシカは何が夜這いよ、とブツブツ言いながら横になった。 「何かしたら承知しないからね。」 ---それが人にものを頼む態度かよ。ククールは警戒もあらわに念を押すゼシカに苦笑した。 「しねぇよ。ゼシカとの初めての記念すべき夜は、パリッパリの白いシーツつきの、フッカフカのバカでかいベッドがある、月明かりが良く入る窓があるコギレイな部屋でって決めてんの。オレは。」 ククールは思い付きにしては具体的な事を真顔で言った。 「何よソレ…。」 ゼシカはアホらしさに脱力した。呆れて怒る気もしない。 「こんな状況じゃ何する気も起きねーよ。」 ククールは不快極まりないといった感じで衝立てを指差した。さっきから聞こえる一際大きいいびきはヤンガスのものだろうか。確かに聖地にあるまじきむさ苦しさだ。 「女神さまも、見てるしな…。ま、ゼシカは勘がいいよ。あれ、ただの石像じゃない。」 「ちょっと!恐いこと言わないでよ!ただの像じゃなかったら、なんだっていうのよ!」 「知らねぇよ。そんな事。あんまりイイ感じはしないって言ってんの。一応僧侶なんだぜ?オレは。」 何が僧侶よ---と言いたかったが、ゼシカは黙った。ククールが良い・悪いに関わらず、そこにいる何らかの気配を感じ取るような事はこれまでにもあって、それが外れない事も承知していたからだ。 それにしてもなんだろう、この宿屋は。宿屋の主人が『満床だから床で寝てくれ』と200ゴールドも取った上で当たり前のように言った事をゼシカは思い出した。 常に人が集まるこのゴルドでは当たり前の事なのかも知れないと一度は納得したのだが、女性である自分にくらいもう少し気を使ってもいいんじゃないだろうかと思う。 敷物があるとはいえ、伝わってくる床の固さにゼシカは顔をしかめた。 「ゼシカ、ちょっと一回起きな。」 不意にククールが言った。 ゼシカは言われるがままに半身を起こすと、ククールがその場所に腕を伸ばした。 「どうぞ。」 意図するところを理解できず、訝しげに見返す。 「はぁ?」 「枕ないから。どうぞ。」 腕枕。紳士的なのか、下心からなのか、ククールの平然とした表情からは全く読めない。 勘ぐる方が品がないような気がしたので、ゼシカは大人しくそこに頭を乗せ、ククールを見た。 ククールはというと、下心があったわけではなかったが、ゼシカからひと言ふた言はあると思っていたので、あまりの素直さに拍子抜けした。 「…………。」 「…………。」 黙って見つめあう形になってしまい、変な間が流れる。 ククールがなんとか話を切り出す。 「え~と、それでオレは子守歌を披露するべきなのか?」 ゼシカは吹き出した。ククールは照れているらしい。 「それはいいわよ。ククール音痴そうだもん。」 「色男が音痴だというセオリーは、オレの場合通用しないんだけどな。」 そう言いながら、ククールも笑った。 眠くなるまで二人は色々な話をした。子供の頃の事。それぞれが使える魔法の事。エイトやヤンガス、トロデ王、ミ―ティア姫の事。 ゼシカはいつの間にか、女神像の事を忘れた。 それからククールは本当に子守歌を歌った。教会の聖歌。 それは意外にも上手くて、小声ながらも通りのよいバリトンの声はゼシカを安心させた。 ---ああ、コイツ本当にとんでもないタラシだわ。気を付け無くっちゃ…。 そんな事を考えながら、ゼシカはゆっくりと眠りに落ちた。 ククールはゼシカが寝付いたのを確かめると、肩の上まで毛布を引き上げてやった。 腕が痺れたので肩のほうにゼシカの頭を乗せ直し、これ位許されるダロ、と前髪にキスして、自分も眠るために目を閉じた。 翌朝二人は、早起きしたエイトたちにくっついて眠っているところを見つかってしまい、散々冷やかされた。 ククールはあらぬ事まで認め、ゼシカは必死に釈明した事は言うまでもない。
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「あいたたた…」 二日酔いの頭痛でククールは目を覚ました。 昨日の夜に酒場に飲みに行ったまでは覚えているが、どうやって帰ったのか覚えていないぐらい酔ってしまったようだ。 (酔ってヘマしてなきゃいいけどな…えっ!?) 俺の隣には誰か寝ていた。ツインテールはほどいているが見慣れた赤い髪は明らかに知ってる娘だった。 (誰だ、もしかして!?) その時、ククールは自分が服を着ていない事に気付いた。 (まさか、俺はこの娘と…?) 布団をめくってみると、寝ている娘もどうやら裸のようだった。 「おい、起きろよ、朝だぞ…」 ククールはとりあえず娘を起こす事にした。 「うーん、もう朝か…」 「ぐ…」 目を覚ましたゼシカを見て俺は愕然とした。なぜならゼシカはまだ14歳であり、いつもの口説き文句は軽い冗談だったからだ。 「ゼ、ゼシカちゃん?」 声が裏返ってる。 「あっ、おはよう。昨日はいろいろとありがとう…」 ここでククールは昨日の出来事を思い出した。 (そうだ、酒場で興に乗ってるときに適当に近くにいた女の子を抱き締めてキスしたんだった…じゃあゼシカあの時の!?) 「君、一緒に旅してるゼシカ…だよね?」 「ククールさっきから何か変よ。」 (俺はゼシカと…ヤッちゃったのか?) まさか本人に聞く事も出来ずにオロオロしていると、ゼシカが耳元に近づいてきて、 「Hしたの初めてだったんだから、責任とってね」 とささやいた。
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真昼の空が真紅に染まったあの日の後も、ベルガラックの歓楽街は変わらずの賑わいを見せていた。 聖地ゴルドに降り掛かった災厄のことは風の便りにこの街へも伝わってきていたが、それが遠く離れた土地での出来事のせいか、あるいはこの街独特の雰囲気なのか、行き交う人々の表情は、他所で見られるそれとはどことなく違っていた。 そんなベルガラックを、一行は骨休めの地に選んだ。 煉獄島での過酷な日々の直後に繰り広げられたゴルドの激戦で、今までになく消耗してしまっていたからだ。 「腹が減っては戦はできぬ、と、昔から言われてるでげすからなぁ」 そう言いながら天井を仰ぎ、満足げに自らの腹を叩くヤンガスを見て、エイトとゼシカは噴き出した。 ひとしきり笑った後、ふとゼシカの表情が曇る。 「……ククール、やっぱりまだ辛そうだったわね」 ぽつりと呟いてゼシカは窓の外を見る。 その視線は、ククールが戻ったであろう宿の方角に向けられていた。 「仕方ないよ。色々あった後だからね。色々」 「少しでもメシは食ったんでげすから、今はそれで良しとしやしょう」 「無理矢理って感じもしたわよ?」 プッ、と、ゼシカは再び噴き出した。 食べる気分じゃないと言い張るククールにヤンガスが脚払いを仕掛けた後、樽を扱うが如くに担ぎ上げてレストランへと連れ込み、席に着かせた後もその眼光で無言の圧力をかけていたことを思い出したからだ。 一見して乱暴に映るが、それがヤンガス流の気遣いというやつだった。 「ヤンガスが飲みたいそうだから僕たちは酒場に行くけど、ゼシカはどうする?」 店主に勘定を頼みながらエイトが言った。 「どうするって?」 問い返してはみたものの、ゼシカにはエイトの言わんとしていることは分かっていた。 ククールの様子を伺いに行くか否か、ということだ。 気にはなっていたが、一人でククールの部屋を訪ねることに関しては、ゼシカには正直なところ未だ若干の躊躇があった。 そんなゼシカの心境を見て取ったエイトは後押しをする。 「気になるなら行ってみるといいよ。でないとゼシカが落ち着かないんじゃない?」 「うん……。でも一人で行くのって変じゃない?」 「別に変じゃないと思うけど?……あっ!でも何かあっても室内でメラはだめだよ。ラリホーあたりにしといて」 「それじゃククールを信用してるんだかしてないんだか分からんでげすよ、兄貴」 笑いながらそう言うヤンガスの隣でエイトはしゃがみ込み、小脇に置いてあった道具袋を漁り始める。 「ゼシカが反撃するような展開になるのは、僕たちにとってはむしろ歓迎すべきだと思うけど?」 探し物をしながら話すエイトはどうやら笑いを堪えきれないようで、小刻みにその肩を震わせていた。 そんなエイトを見下ろしながら、ゼシカは少々呆れた口調で返す。 「……荒療治ってわけ?」 「そうなるかどうかはゼシカの加減次第だけどね。はい、これ」 笑顔で返事をしながらエイトはゼシカに、道具袋から探し出した物を差し出した。 「念のため」 「やっぱり信用してないんじゃない」 ゼシカは苦笑すると、エイトからキメラの翼を受け取り腰のポーチにしまい込んだ。 (行くとは言ったものの、どうしよう……) 宿屋の自分の部屋に戻ったゼシカはベッドに腰掛けて悩んでいた。 ただ部屋を訪ねるだけでは、露骨に心配していると言っているようなものだ。 心配しているのはもちろん事実だが、ククールに対してそれを表面に出してはおそらく上手く事は運ばないだろう。 考えがまとまらないままにゼシカはベッドからドレッサーへと移動し、手持ち無沙汰に髪を結び直し始める。 しかしそれもすぐに終わり、鏡を見つめるだけになってしまった。 その後様々な角度に首を傾げながら百面相を始めたゼシカは、先程の食事で紅が薄くなっていたことに気付き、ドレッサーの上のコスメボックスを開ける。 「あ……!」 思わずゼシカは小さな声を漏らし、にんまりと鏡の中の自分に笑いかけた。 手早く紅をひき直すと、足早にククールの部屋へと向かう。 「お願いしたいことがあるんだけど、よかったら屋上に来てくれる?」 ゼシカは部屋の入り口から様子を伺い、ベッドに腰掛けていたククールにそう伝えると屋上へと向かった。 風に揺れる街路樹から漂う緑の香りが、屋上に出たゼシカを包み込む。 その香りに触発されて思わず深呼吸をした後、ゼシカは街の入り口と外の風景を望める側へと移動して満天の星空を眺める。 彼方から瞳に飛び込んでくる不規則に瞬く星の光と、視界の端で規則的に瞬く歓楽街の人工的な光。 それらは昔も今も変わらないのに、明日はあるいは……と考えると、嫌でも感傷的になってしまう。 時間は、あるようで無いのだ。 なのでククールには一刻も早く、いつもの調子に戻ってもらわなくてはならない。 仲間のために。旅の目的達成のために。ひいては、この世界のために。 (……おためごかしなのかな?これって) ふと脳裏にそんな言葉がよぎって、ゼシカは素直になれない自分に苦笑した。 「星に願いでも?」 乾いた靴音と共に、背後から待っていた声がした。 「ま、女神像も無くなっちまったし、教会もあのザマだし、それが一番いいのかもな」 「そうかもね。お金かからないし、願いも叶ったし」 ゼシカは振り返らずに相槌を打ちながら、歩み寄ってくるククールの気配を耳で追う。 「ふーん、叶ったのか。そいつは良かった」 頃合いを見計らってゼシカはククールの側に向き直ると、上目遣いでやや悪戯っぽい笑みを作りながら言った。 「ククールが来てくれますように、ってお願いしてたから」 「なんだ。そんなことか」 ククールは一瞬呆気に取られ、直後に軽く噴き出した。 その様子を見て、ゼシカは安堵の表情を浮かべる。 「良かった。思ったより元気そうね」 「さっきよりはマシになったかもな。……で?オレに頼みって何?」 単刀直入な物言いをするククールを見て、ゼシカは未だククールの気持ちに余裕がないことを感じ取っていた。 いつものククールならば、ここで茶々のひとつでも入れてくるだろうに……。 ゼシカは意を決して、先程思いついたプランを実行に移すことにした。 「えっとね。頼む人を教えて欲しいの。ククールしか知らない人だから」 「なんだそりゃ?」 首を傾げるククールの前でゼシカはスカートのポケットを探り始める。 「これ、無くなっちゃったから。決戦前に元気のもとが欲しくて」 そう言いながらゼシカがククールに見せたものは、空になった小さな瓶だった。 「まさかゼシカとここに来ることになるとは、思いもしなかったぜ」 ククールは苦笑しながらドニの酒場の扉を開き、手馴れた振る舞いでゼシカを店内へと導く。 「いらっしゃい!久し振りね、ククール。今日はそちらの彼女とデート?」 バニーが口にしたデートという言葉を耳にしたゼシカは、胸の鼓動が心なしか早くなり頬に熱を帯びてしまったことに焦っていた。 そう思っていない……いや、認めようとしないのはゼシカだけで、二人の有り様はどこから見ても立派なデートの光景である。 「まぁ、そんなようなもんなのかな?」 「なっ……!!」 条件反射でククールの言葉を否定しかかったゼシカは慌てて言葉を飲み込んだ。 ここで喧嘩を始めてしまっては、思い描いたプランが台無しになる。 「あら、恥ずかしがらせちゃった?ごめんなさいね、うふふ」 日々あらゆるタイプの客を捌く百戦錬磨のバニーは、すかさず妖艶な微笑みを見せながらゼシカの動揺を鎮めにかかってきた。 もっとも、ゼシカは客のタイプとしてはかなり特異なので、その効果の程は未知数ではあったのだが。 「ゼシカ、頼む相手は彼女だぜ。じゃ、オレは向うで待ってるから」 ポン、とククールはゼシカの肩を軽く叩き、その手をひらひらと振りながらカウンターへと向かう。 カウンター席に腰掛けマスターと言葉を交わし始めたククールの背を見ながら、ゼシカは胸を撫で下ろした。 ゼシカの真の目的……ここでククールにひと時を過ごしてもらおうというプランは、どうやら軌道に乗りそうだ。 「聡明そうな感じのお嬢さんだね」 カウンター席に斜めに腰掛けゼシカとバニーの様子を見守るククールに、マスターは水を差し出しながら話しかけた。 「そりゃ、ああ見えて実は稀代の大魔法使いだからな。賢者の末裔だし」 二人の視線の先のゼシカは、バニーに頬を触られたり、バニーの動作の真似をして指先をいじったりしていた。 話の内容は酒場の喧噪にかき消されて聞くことはできないが、おそらくは肌の手入れなどの手ほどきを受けているのだろう。 男所帯で過ごしている中ではまず見ることのできない、ゼシカの楽しげな姿を目の当たりにしたククールの目尻が思わず緩む。 「へえぇ、そりゃ凄いや。どうりで、今までぼっちゃんが連れてきた女の子とはどこか違う感じがしたわけだ」 「いい加減、ぼっちゃんは勘弁してくれよマスター」 ククールは苦笑しながらマスターの側に向き直った。 「あと、連れてきたんじゃなくて、オレが連れてこられたんだよ、今日は」 「こりゃまた珍しいこともあったもんだね。それも空が赤くなったせいかな?」 「それは関係ないような……。いや、違うとも言い切れないか」 そんなやりとりをしているうちに、ゼシカがカウンター席にやってきた。 「お待たせ。でももう少し時間がかかっちゃうんだって」 裏口方面の衝立の脇から手を振ってきたバニーにゼシカは軽く会釈をすると、ククールの隣の席に収まる。 「ああ、瓶の消毒とかがあるもんな。どうする?待ってる間、少し飲んでみるかい?」 「うん。何かお奨めってある?」 「あるぜ。マスター、いつものやつを」 ククールはにやりと笑い、呆れるほど気障な素振りで注文を出す。 その様子を見ながら、ゼシカは内心よしよし、と思うのだった。 「これ、ワイングラス?このマーク……?」 ゼシカはマスターがカウンターに置いたグラスを見て呟いた。 それはワイングラスとは似て非なるもので、脚の部分が太く短かい。 グラスの最上部には金色の縁取りがあり、側面には騎馬衛兵を象ったエンブレムが描かれていた。 しげしげとグラスを眺めながら首を傾げるゼシカの様子を見て、ククールは待ってましたとばかりに話し始める。 「これから出してくれるビール専用のグラスで、聖杯型ゴブレットっていうんだ」 「ビール?いつものやつって言うから、ワインだとばっかり思ってたわ」 ビールはジョッキで飲むもの、という固定観念を持っていたゼシカは目を丸くした。 そして、いつもワインを口にしているククールがビールを注文したということにも驚いていた。 「ここのビールは特別でね」 そのククールの言葉を待っていたかのようにマスターがグラスにビールを注ぐと、ゼシカの目が更に丸くなった。 「こんな色のビール、初めて見たわ」 ゼシカが驚くのも無理はない。 マスターが鮮やかな手つきで注いだそのビールは、チョコレートのような色をしていたからだ。 注ぎ終わったビールの上に乗っている泡はミルクティーのような色でまるでメレンゲのようにきめ細かく、緩やかな山を築いていたが不思議と崩れない。 「これは修道院で作られたビールなんですよ」 続いてククールの側に置かれたグラスにビールを注ぎながら、マスターが言った。 「えっ?修道院って、マイエラ?」 「そ。グラスのマークは、ほら、修道院の入り口にあるだろ?」 マスターの言葉を継いでククールが説明を続ける。 「どこかで見たことがあると思ったら、あのマークだったのね」 疑問の一つが氷解したゼシカの表情がパッと明るくなった。 喜怒哀楽いずれの感情にしても、ゼシカの表情はいつもそれを余すところなく表現する。 その清々しいまでの分かりやすさを、ククールは気に入っていた。 「さてと。何に乾杯しようか?」 ククールがグラスを持ちゼシカの側に差し出すと、ゼシカも真似をしてグラスを寄せる。 その動作はアルバート家で身に付けたテーブルマナーとは少々勝手が違うようで、どことなくぎこちがなかったが、それはそれでいいもんだな、と、ククールは考えていた。 「こういうのって初めてだから、よく分からないわ。うーん……」 グラスを掲げたままゼシカはしばらく考え込み、やがてこう言った。 「明日のために、っていうのは?」 「よし。それじゃ、明日のために、乾杯」 「乾杯」 カチンと二人は杯を合わせると、それぞれの口に運んだ。 ~ 続く ~ so sweet…後編
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潮時・翌朝の時系列のククゼシ ※開発未満1※・※開発未満2※・※開発未満3※・※開発未満4※・※開発未満5※・※開発未満6※ ククールは慎重に様子をうかがいつつ、口唇を合わせたままそっと、彼女の下腹部で重ね合わせたお互いの指を、濡れた裂け目の中に侵入させた…「―――ッッん!!」急激にもたらされた異物感に、ゼシカは驚いて身体を跳ねさせる。しかしククールの口付けはなにごともないように優しく穏やかに続けられるので、ゼシカはもうどこに気を置けばいいのかわからなくて、混乱するものの抵抗する気力を奪われていく。ククールの指が、器用にゼシカと自分の中指を蠢かせ内側の粘膜を優しく擦ると、腰が自然に浮いた。強くないゆるやかな快感がじわりと沸き上がる。息が上がって、口づけが苦しい。「…気持ちいい?」 口唇の合間でククールが囁くと、ゼシカは息を大きく吸いながら、くたりと頷く。素直なゼシカにククールは微笑むと、口づけを、今度は乳房へと移動させた。「あっ…ん」色づく部分を大きく含んで甘噛みされると、痺れるような快感が走る。感じることに没頭しかけているゼシカを、ククールの低い声がすぐに引き戻した。「ゼシカ…こっち」「…ぇ…?」ずっとゼシカの体内でゆるやかに快感を生み出し続けていた指が、ゼシカのお腹側の性感帯を力をこめて撫であげると、ゼシカは声を上げ、否応なしにそこを意識せざるを得なくなる。自分の信じられない場所に侵入している、いやらしい自分自身の指の存在を。「お前の中、どんな風か教えて?」「…ヤッ、ア、ぁ…あ、…。……………あつ…ぃ…」「…濡れてる?」湿った温度と、からみつく粘液を、指先にじっとりと感じながら、ゼシカは頷く。ククールが、再びゼシカの胸を愛撫しだした。強い力で先端を抓られると、「ひゃ、ぅ…ッ!」全身が跳ね、胸にもたらされたはずの刺激が下半身に襲い来る。瞬間的に飲み込んでいる指が締め付けられたのを感じた。そして新たな体液で指先が濡れたことも。「……きゅ…て、なった…」初めて実感した自分の身体の反応をゼシカはただ素直に口にし、荒い息のままククールをぼんやりと見上げる。ククールは嬉しそうに破顔し、うん、と頷いた。「それが、ゼシカが気持ちいいとオレも気持ちよくなるってこと」「わたしが…きゅってしたら…クク、気持ちいいの…?」「最高に」「……こんなに濡れてるの……、…変じゃ、ない?」「変じゃない。もっと濡らしていいよ。そして、もっとオレを気持ちよくしてくれる?」「うん…」 ククールはゼシカと自分の指をシンクロさせて狭い内側を優しく侵しながら、待ち焦がれるように震える乳房を、空いた手と口で今までよりも若干激しく噛み、揉みしだいた。「あっ、ア…、ククール…ッ、ヤだ…ッ、や、ん…」「指、どんどん締めつけてるの…わかるだろ…?」「アンッ、アッ!ん、ぅん…ッ、……やだ、あっ」「いつもゼシカのココは、オレをこんなにキツく締め付けてるんだぜ…抜かないで、って」身体は官能にゆだねてしまっても、心にわずかに残った羞恥心がククールのあからさまな挑発に反応する。ゼシカが身体を強張らせると、連動するかのように中がきゅううと締まった。「んんん…ッッ、あぁっ、あっ、ヤだ、ヤだぁ、ダメ…!」ゼシカは首を大きく振って乱れた。小さく暴れた拍子にククールに掴まれていた指が離され、自らの体内からズルリと抜け出て力なくシーツに落とされる。ハァハァと息を荒げながら濡れそぼった指先を呆然と見た後、ゼシカは腕を緩慢に持ち上げ、それをククールの口元に近づけた。ククールが優雅にその手を取り、味わうかのように舐めはじめるのを、恍惚とした顔で見つめる。それはどこか、姫君の手甲に誓いの口づけを捧げる騎士のような、ロマンティックな光景にも見えた。騎士はぴちゃりと音を響かせて、姫君が零した 淫らな雫を恭しく舐め取っていく…ゼシカはゾクリと身を震わせた。ただ指を舐めるだけの行為が、このうえなく卑猥に思えて。「…ね、クク…私も、ククールをいっぱい気持ちよくしてあげたいから…だから、…だから、 ―――……もっと私のことも、気持ちよく、して…ほしい…。……私、変なこと言ってる…?」戸惑う瞳がたまらなく愛しく、かわいい。ククールは安心させるように笑い返して、ゆっくりとゼシカに覆いかぶさった。小さくキスして、瞳を合わす。「……仰せのままに」 ※開発未満1※・※開発未満2※・※開発未満3※・※開発未満4※・※開発未満5※・※開発未満6※